神学の営みについて研究しています。神学とは神の自己開示たる啓示を伝統に忠実でありながらも、時代の状況に意味と妥当性とをもつ仕方で理解してゆく解釈の営みです。その結果として信仰共同体が活性化されることを目指すものでもあります。
神学研究のなかでも主に二つの分野で興味をもって研究してきました。インカルチュレーション神学と神学的方法論とです。
第一にインカルチュレーション神学は、文脈化神学や地域神学の構築と密接に関係しています。インカルチュレーション(福音の文化的受肉)とは福音と文化との対話という神学的課題です。福音宣教側の文化が絶対化・普遍化されるとき、また福音の内容と文化とに区別がなされないとき、あるいはキリスト教という宗教と福音とを混同するとき、そのとき信仰共同体たる教会はインカルチュレーションの課題をもって問い直しを受けることになります。福音はそれぞれの時代と文化にふさわしい方法と表現で伝えられ、文化に根づきそこで実をむすんでゆくのでなければ、キリスト教も文化に根をはった宗教の社会的実体として生きてゆくことはむずかしくなります。
第二に神学の方法論ですが、これは神学の営みそのものについての省察です。これは啓示、信仰、シンボル、聖書、解釈、教会などの要素とそれらの関係についての省察からなりたちます。啓示の解釈である神学、あるいは信仰の省察である神学の営みの使命や規準、条件や方針などを問う学問領域です。神学の主体、神学の聴衆、神学における緊張関係をも問うてゆきます。
以上の二点以外にも、神学と文化、宗教と文化、教会論、第二ヴァティカン公会議、苦しみの神学についても興味をもって研究に携わってきました。